市民サミット2008[2] (6日後半:第2部「持続可能なグローバル社会へ」)

 7月6日(日)、「市民サミット 2008 ~世界はきっと変えられる」
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 6日(13時から17時):オープニングシンポジウム「人々の声を世界に響かせる」@札幌コンベンションセンター
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(長文です)
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 第2部「持続可能なグローバル社会へ」(15時15分~16時50分)

 おもに「環境の問題を市民社会側からどう考えるか」を議論する第2部。
 パネラーは4名。

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・枝廣淳子さん(E's代表、ジャパン・フォー・サステナビリティ代表)。
 政府の「地球温暖化問題に関する懇親会メンバー」として「福田ビジョン」作成にかかわった枝廣さんは、まず通常、大学関係者や産業会のメンバーばかりの懇親会にNGO関係者が選ばれたこと、官僚事務方が下書きを作成することの多い懇親会提言を今回は委員の有志で作成したことなど、「福田ビジョン」作成過程での「画期的」な点を語られた。「福田ビジョン」の内容については、「中期目標が出せなかった」のは「まだまだ足りない」ことだが、「50%削減」というのは「前進」であり、「排出権取引を実験的に進める」という点も評価できるとした。今後、福田ビジョンをこえてもっと進んでいくためには、まず「科学(たとえばICPP報告)に立脚して意思決定をすること」が重要であり、具体的には3つの原則、すなわち、「予防原則」、「汚染者負担の原則」、最後に生産、使用、リサイクル、廃棄といった全過程におよぶ「拡大使用者責任」があげられた。欧州ではそれらを市民、政府、産業界が共有しており、方向性が合致しているという。 
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・「環境と開発に関するドイツNGOフォーラム」のユルゲン・マイヤーさん(ドイツ)。
 シビルG8対話にも参加したマイヤーさんは、環境問題が一番大事だと指摘した上で、全人口の13.5%を占めるに過ぎないG8諸国が、「世界のGDPの60%、現在のCO2排出量の39%、過去の排出量の62%を占めている」が、今回のサミットでは、バリロードマップから後退する危険があると述べた。EUでは経済界が支援している。気候変動対策は経済を破壊するのではなく逆だという認識がある。2020年目標として、エネルギー消費を20%以下に、排出量を20%にし、排出量取引による資金を、ODAにつかう。たとえば、5億ユーロを森林保護につかえるという。またエネルギーの面では、ドイツで1991年に電力買取法という再生可能エネルギーを電力会社が買い取る義務があり、10-20年にわたって価格が保障されている。再生可能エネルギーは2006年で全電力の12%、2020年には20%を占める予定だという。その上で、問題は、「大手電力会社がこのような分散型発電を良しとしないこと」にあり、「寡占的なエネルギー市場は再生エネルギーと両立しない」と指摘した。その点で、日本は原子力を考えているが、建設にはお金がかかるし 排出量削減に効果もなく、それは結局、現在の寡占的エネルギー市場の維持をはかるものだと指摘した。
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 後半の2名は、より運動的な観点から、意見を述べた。

・インドのメダ・パトカルさん(セイブ・ナルマダ運動)
 ファシリテーターから、「環境は、グローバルな問題と、各地域の問題がある」として、紹介されたのが、ダム反対運動に長年かかわってきたメダさん。彼女は、まず「平行会議しかできないこと、直接会えず、デモができないことが残念」としたうえで、「本当の問題は、人々の領地や資源が搾取されていること」だと指摘し、しかもそれらが「北の国の人のために使われているのではなく、利益追求のためだけに搾取されていることが残念でならない」と強く主張した。日本のODA、そしてJBICの資金がダム開発に使われていることも指摘した上で、「闘いをグローバル化させるだけでなく、ローカル化させることが大切であり、また、路上でデモするだけでもだめで、重要なことは開発パラダイムをかえること、自分たちの地域の中で、別の開発の観点を打ち出し、実現すること」だと述べた。

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・「フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス」のウォールデン・ベローさん(フィリピン)
 ベローさんはまずG8と運動の歴史から話をはじめた。彼曰く、G8のはじまりは、70年代にOPECの挑戦をうけた北の国々の危機感にあり、ふたたび世界・南の国々を支配するために経済領域での管理者になろうとしたことにある。G8は企業中心のグローバルプロジェクト、新自由主義的政策を自国だけでなく南にもおしつけ、その結果、統計が示すように、60-70年の発展はすべてなくなり、貧困がすすみ、経済成長が低下。まさに新自由主義を実行した国々で経済停滞がおこった。その結果、G8は、多くの抵抗・デモに直面することになり、2001年のジェノアサミットでは、世界中から人々が集まった。そこで語られたのは「G8をなくすことが解決。G8は自分たちの邪魔をするな。G8こそが世界の問題なのだ」ということであった。 
 その後、G8は、イメージアップのために、世界の貧困解決のフリをし、GDPの0.7%をODAに費やすということや債務帳消し、気候変動解決も約束した。それが2005年のグレンイーグルスで最高潮にたっし、労働党がスポンサーの見世物となった。有名なボノなどがやってきて、大きな国際NGOもやってきて、「G8と連携しなくてはいけない」というメッセージを出した。市民社会の運動体がグレンイーグルスにいったら、「抗議をおこなわないように」と」なだめられた。ブレアやボノらの集まりを賞賛せよと。
 いまや二つの立場がある。つまり、ジェノバのような立場を取るか。グレンイーグルスのような道、つまりG8と市民社会はパートナーになるか。では、2006年から2007年にかけて何が起こったのか。G8はアフリカ援助も果たさなかったし、債務帳消しも、貿易交渉での約束も、気候変動についても効果的対策をもたらさなかった。そこで、ロストックやハイリゲンダムの反対運動があった。そこでは、「G8はだめだ」「ジェノバの道にもどるべきだ」という声があらわれた。そして北海道。ベローさんは言う。「わたしたちのまえには、二つの対立する道がある。どちらの道を日本の運動は、アジアの運動は選ぶのか。ジェノバかグレンイーグルスか」。

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 質疑では、トービン税への評価やドイツの緑の党の現状などについて質問がなされた。また枝廣さんがなぜ懇親会メンバーに選ばれたのかについて質問があり、彼女は自分のスタイルが「対決型ではない」ことをあげ、「なにかに反対しているNGOはたくさんいるし、重要だが、産業界とぶつかっては、対話にならない」こともあると述べた。最後に、ベローさんに、「ジェノアかグレンイーグルスか」どちらがいいと考えるかという質問がなされた。彼は「ジェノアの道」だとはっきり述べ、そして、「数は少ないが」「多くの人が北海道にあつまったことが重要」だとした。そして最後に「なぜG8を廃止すべきか。それは非公式の存在、マフィアのようなものであって、国連を破壊する世界政府のようなものだから」であり、「意思決定は国連ですべきであり、洞爺湖ではない」とした。また「日本の運動家が、洞爺湖を最後のG8にしてくだされば」と付け加えた。

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 一方の枝廣さんとマイヤーさん、そして他方のパトカルさんとベローさん。 
 このセッションには市民社会の多様性がかなり現れているように思えた。そこには大きな隔たりもあるだろうが、そもそもこのように一緒に議論する場がなければそれも見えないまま、互いに無視しあうままかもしれない。自分と違う立場のパネラーが話しているときのそれぞれの表情には、複雑な感情がよくあらわれていた。市民社会にとっての課題と可能性を確認することのできた、このような場が可能になったのも、「2008年G8サミットNGOフォーラム」と「G8サミット市民フォーラム北海道」の協力関係とネットワークがあってこそ。ほかでは実現できなかっただろうし、残念なことに、実際、ほとんど実現されていない。その意味で貴重な場であった。
 

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