市民サミット2008[1] (6日前半:オープニングセレモニー、第1部「貧困を過去のものに」)

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 7月6日(日)、「市民サミット 2008 ~世界はきっと変えられる」が、開始された。
 期間は、6・7・8日の3日間で、主催は「2008年G8サミットNGOフォーラム」と「G8サミット市民フォーラム北海道」。

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 6日は、13時から17時まで、札幌コンベンションセンター・特別会議室で、オープニングシンポジウム「人々の声を世界に響かせる」が開催された。参加者は400人ほど(主催者発表)。

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(前半:オープニングセレモニー、第1部「貧困を過去のものに」)

・オープニング・セレモニー
 開会に先立って、まずアイヌ・アート・プロジェクト結城幸司さんたちによる民族楽器演奏と祈りがなされた。その中で結城さんは、アイヌの祖先が「北海道」を「神々の島」と呼んでいたことを紹介し、「自然の神々と、そしてその恵みと、そして人間たちの感謝が必要な時代がやってきました」と語った。続いて、グァテマラの先住民族ロサリーナ・トゥユクさんから、開催の祝辞と祈りがなされた。トゥイクさんの提案で、「大地への感謝」の表現として、参加者全員が床に手をつき目を閉じた。
・開会のあいさつ
 続いて市民フォーラム北海道共同代表・秋山孝司さんが「開会のあいさつ」をおこない、「ここに集う世界のNGO,市民が情報を共有し、発信し、議論をし、新しい活動の新しい出発点になることを期待します」と述べた。

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・第1部「貧困を過去のものに」(13時20分~15時)
 ファシリテーターの宮内泰介さん(市民フォーラム北海道)は、市民サミットの目的について以下のように語った。「市民社会は一枚岩ではなく、大きな多様性がある。しかしそこには、政府やG8首脳に任せていてはいけない、自分たちが世界をかえる、自分たちこそ世界を変えられる、変える必要がある、という共通認識があります。なぜ変えなくてはいけないのか。その根拠を、現場、国際ネットワークをその両方をもった市民社会の方々、その代表の方々をおまねきして、何が問題なのかを議論する場にしたい」と。

 貧困、開発、先住民族の問題を取り扱う第1部のシンポジウム・パネラーは4人。
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・まず、GCAP共同代表のクミ・ナイドゥーさん(南アフリカ)。先進国が途上国に貸した1ドルに対して途上国は7ドルも返済していること、先進国が途上国から優れた人材を奪っていること、つまり先進国が、「与えられる援助と支払われる負債」のあいだでダブルスタンダードに陥っていることが指摘された。人権の面でも、日本政府が、各国からの来訪者のビザを却下したり(実際、バングラデシュのGCAPメンバー二人が却下)、グリーンピース二名を拘束したりしている事態を指摘した。「G8は、言っていることとやっていることを一貫させるべきだ」、「自分で人権を侵害しておいて、ほかの国にそれを求めることはできない」などの発言に、会場から大きな拍手がおこった。

・次にウガンダ・ムスリム最高評議会のシェイク・シャバン・ムバジェさん(ウガンダ)が、同会場で2日におこなわれた世界宗教者会議にふれて、宗教コミュニティが、紛争解決、貧困と病気との闘い、環境のための闘いのために、政府、NGO、すべての関係者をパートナーとして努力していること、そして問題解決のためには、政府間、NGO間、宗教間の協力が欠かせないことを主張した。

・ニカラグアのロス・カニンガム(ミスキート先住民族組織ワンキ・タグニ代表)さんは、貧しいニカラグアのなかでも特に貧しいミスキート民族の土地が、自治や天然資源利用決定権が中央政府に無視されることで、貧しいままにおかれている状況を指摘し、ラテンアメリカの先住民運動と連携して、国連のなかに作業部会をつくらせ、昨年の権利宣言採択にまでつながる努力を紹介された。二風谷での先住民族サミットからうまれた二風谷宣言にふれて、G8に声をとどけていくために連帯していく必要性を述べた。

・最後に、エイズ支援機構TASO創始者およびアクションエイド・インターナショナルのノエリン・カレーバさん(ウガンダ)は、最初は、「G8首脳もいない場所に集まってどこまで意味があるか」を考えたこともあるが、「われわれの声・期待を声を大にして伝えたい」と考えて参加したと述べ、「女性の権利をすべての中心にすれば、すべてを解決できる」と強く主張した。とくにアフリカでは女性は貧困状態にあり、エイズに感染し、親を介護し、親を失い、家計も担う役割にある。ミレニアム開発目標の達成は、それが女性にとって役に立っているかによって判断できると述べた。

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 質疑の時間が20分ほどとられた。
 エイズ対策について、自殺についての質疑がなされたが、意思決定過程に女性の参加を求めるというところから、さらに同性愛者、バイセクシャルのひとびとの権利に質問が及び、深い議論が展開されることになった。
 きっかけは、フランスのパブリック・インターナショナルのメンバーから、宗教共同体が同性愛者やバイセクシャルの人々を排除している場合が多いことをどう考えるかという質問がムスリム最高評議会のムバジェさんになされたことである。
 ムバジェさんは、アジア宗教指導者会議でウガンダの同性愛運動について、話し合ったことをのべ、同性愛者の問題が「まだはじまったばかり」であると同時に、「伝統的文化的に受け入れられない」「自然に反すること」とした。
 それに対してフロアから「恥ずかしい発言だ」という非難があがった。
 ムバジェさんは、政府や宗教が反対しているというよりも、「ウガンダの人自身が反対している」「これはウガンダの人自身が決めること」「これは外来の風習で、もとはなかった」「一度、ウガンダにきてみてください」と述べた。

 GCAPのクミさんは、自殺した母親のエピソードにふれるなかで、「どの宗教がいいのか。それは重要ではない。神様はあなたがあう人すべての中にある。尊厳がある。多様性をどのように進めていけるか。すべての意見をうけいれるということではない、共有できるところをみつけること、違いがあることを受け入れるということ。アフリカの中では、ゲイやレズビアンの権利を守る地域があるが、それは人間の権利を守るということを土台にしている。」「少数者の権利を守ること、ゲイ、レズビアンだけでなく、先住民や障害者、さまざまな病気になっている人などです。人類が次の世紀に進めるかどうかは、人類がこの社会で多数だけの意見を民主主義の原則とするかということにかかわっている。少数者の人が多数の人と同じように権利を認められる社会ができるかどうか」だと述べた。

 ここで、フロアからG8サミットNGOフォーラム関係者から3点指摘があった。「1つは、われわれはムバジェさんを客人として迎えているのであり、非難するというのは適切ではない。2つは、たとえウガンダにゲイ抑圧があるとしても、ミレニアム開発目標さえ達成できていない段階では、先進国の人間が、それに対してどういうことがいえるか、ということ。3つ目は、ウガンダに反ソドミー法ができた時期を考えてほしい。それがもたらされたのは英国の植民地主義の時代。われわれ自身がゲイ抑圧に責任があるということを自覚すべきだということ。」
 会場から自然に拍手がおこった。

 (「6日後半:第2部「持続可能なグローバル社会へ」に続く)

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