シビルG8対話
4月23日(水)と24日(木)、京都市国際交流会館において、G8サミットNGOフォーラム主催の「シビルG8対話」が開催された。
「シビルG8対話」そのものは、2006年のロシア・サンクトペテルブルグサミット、2007年ドイツ・ハイリゲンダムサミットに続いて、3回目となる。
メインのイベントは、24日夕方の各国NGOと、G8シェルパ(首脳の個人代表でサミット事前折衝のため来日)との2時間の直接対話(ラウンドテーブル)であり、そちらについてはある程度報道がなされているが、直接対話に向けて、丸2日間(部分的には22日も)、各国NGOによって、シェルパに提起する具体的問い・要求を練り上げていく作業がおこなわれたことはあまり報道されていない。
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初日23日は、朝10時から18時まで、4つの全体会議。
①「G8プロセスと洞爺湖サミット――市民社会からの視点、期待および提言」
②「貧困と開発――ミレニアム開発目標達成に向けて:貧困根絶と社会正義」
③「平和と人権――G8公式アジェンダと権利ベース・アプローチ」
④「G8諸国と環境」
それぞれ4・5人ほどの登壇者が報告とコメントをおこない、その後、フロアとのあいだで時間の許す限りで質疑応答がなされた。
全体会議①と④には、日本国のサブシェルパ2名も一人ずつ参加し、政府側の観点からの報告・応答をおこなった。中尾サブシェルパ(財務省国際局次長)は、「日本はODAをもっと増やす必要があるのではないか」という質問に対して、「納税者の支持が必要であるが、最近は社会保障への関心が高まっている。ODA要求は強いが制限がある」と応えた。またCO2削減に関する日本のセクター別アプローチへの批判・質問に対しては、谷津サブシェルパ(環境省大臣官房審議官)が、「あくまでも日本としての絶対量の削減のことであり、また国際的なベンチマーキングが必要だった」と説明した。
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2日目は、「環境」「平和・人権」「貧困・開発」という3種類のテーマで、合計9つのワークショップ(WS)が開催された。
シェルパとの直接対話の議題(「環境・気候変動」と、「開発・アフリカ」の2つ)と関連するワークショップでは、シェルパに対して、具体的にどのような質問・意見をするかについての議論等がおこなわれた。例えば、午前の「貧困・開発」の「開発のための資金調達」WSでは、「あまり多く投げかけるとシェルパが混乱するので」という理由で、まずODA、開発資金、アフリカという3つのイシューにわけて、各分野から2つの要求・質問を選ぶ作業が成された。その過程で、より重要な質問はどれか、2つの要求を1つにまとめることはできるか、現実的な要求をすべきかそれとも高い要求をするか(「妥当なことを言えば向こうが聞いてくれるという保証はない」)などで活発な議論がなされた。
また、直接対話の議題にはならなかった、「平和・人権」関連のWSにおいても、憲法9条の重要性や、アイヌ民族を「先住民」として認めることなどを、直接対話の場で提起することが話し合われた。
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24日の夕方(16時から18時まで)、8人のシェルパ(仏を除くG8国及びEUのシェルパ)とNGOとのあいだで直接対話がなされた(写真)。
日本国の河野シェルパ(外務省外務審議官)によって各シェルパの紹介がなされたあとで、まず第1セッション「環境・気候変動」(40分)が開始された。
NGO側からは、「G8のリーダーシップには失望的」「途上国が気候変動に「適応」するための支援が必要」「新しいエネルギーの市場が必要」「日本のセクター別アプローチがバリ・ロードマップをふまえていない」などの質問・要求がなされた。それに対して各シェルパは、このような対話の場を評価し、「感謝」を述べたが、NGO側からなされた問いに一つ一つ応答することは避け、「いろいろな質問がなされた」、「どれも非常に重要」というような総論的なコメントを述べるに留まった。
第2セッション「開発・アフリカ」(40分)では、NGO側から、「いぜん合意されたこととは違って、むしろアフリカ支援が減っている」、「このままではミレニアム開発目標を達成できない」、「医療・教育へのユニバーサルなアクセス」「アフリカの資産の一部、2兆円ほどがG8国にある」「国際機関におけるアフリカの代表権の拡充」「食料がバイオエネルギーに使われるモラル的問題」「HIV、母子保健、水と衛生」などについて指摘・要求がなされた。シェルパ側は、「着実に進んでいる」「目標は共有している」と述べ、まさに今、シェルパ同士で意見交換をしている最中だということを繰り返し述べた。
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シェルパの退席後、NGOフォーラム主催の記者会見の場がもたれた。「シェルパからは、あまり具体的には語ってもらえなかった」という不満もNGO側からは語られたが、それでも日本ではじめて分野を越えたNGOのネットワークが形成された」のであり、「日本のNGOにもこういうことができる」という証明として重要だということが述べられた。今後も、NGOフォーラムとして、ロビー活動を続けていくという。
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